パワハラ問題受け、学院長を専任に 退学者相次いだ北海道江差高看

パワハラ問題受け、学院長を専任に 退学者相次いだ北海道江差高看
朝日新聞デジタル 2021/12/21(火) 9:37配信

 北海道立江差高等看護学院(江差高看)の学生が教員からパワーハラスメントを受け、退学・休学者が相次いだ問題で、道は20日、再発防止のため同学院の運営体制を見直すと発表した。学院長が道の業務と兼務したため副学院長1人に権限が集中した体制を改め、専任の学院長を置き、副学院長は2人体制にする。パワハラ問題で江差高看では学生や保護者らに不安が生じており、組織の見直しで早期の学院運営の適正化を図る。

■52件のパワハラを認定

 江差高看では4月以降、教師による学生へのパワハラやそれに伴う多数の休学・退学が問題化し、道の第三者調査委員会は10月、他の道立高看も含め計52件のパワハラを認定した。

 江差高看では学院長を伊東則彦・江差保健所長が兼務してきたが、道は21日付で新たに保健師の資格を持つ石谷絵里・地域保健課課長補佐を専任の学院長に任命。学院運営全般の意思決定のほか、ハラスメント防止や教員の再教育に取り組む。

 道地域医療推進局の岡本収司局長は会見で「再発防止にリーダーシップを発揮してもらうほか、保健師として同じ看護の道を志した先輩の立場で、学生の良き理解者になってもらいたい」と述べた。2022年度中は学院長を専任とし、状況を見て次年度以降も継続するか判断する。

 1人だった副学院長は教務担当と事務担当の2人体制にする。事務担当の副学院長は、22年度に新設する地域や保護者らでつくる協議会の運営にあたるほか、有識者による「学院運営アドバイザー」と連携し、適正化の取り組みをサポートする。

 第三者委はパワハラの背景として、1人だった副学院長への権力集中を指摘しており、2人体制で権限の分散化を図る。2人体制は他の道立高看でも22年度からの導入を検討する。

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